INTERVIEW
インタビュー

亀梨奈美
不動産ジャーナリスト・株式会社realwave代表取締役
大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。
利根川 諒志
執行役員・戦略支援事業部 統括

20代は音楽活動に専念、大手レーベルとの契約その後の破棄を経て、お金のプロを目指し、不動産業の世界へ。「最も相談しやすいコンサルタント」を目指す。現在はマンションリサーチにて、現場キャリアを活かしつつ、サービスの企画・拡販を行う。
「1対1」ではなく「1対N」になることで可能性は無限大に

(株)realwave
亀梨奈美
前職ではどのようなことをされていたんですか?
一棟収益不動産の売買をしていました。3,000万円程度のアパートから数億円の一棟マンションまで幅広く扱っていました。

マンションリサーチ(株)
利根川

(株)realwave
亀梨奈美
バリバリの営業マンだったわけですね。不動産という業界は同じでも「実務」と「テック」には大きな違いがあると思いますが、なぜ不動産テック業界へ移ったのでしょうか?
前職では、自分の裁量だけではどうにもならない壁を感じていました。
売上は市況の影響を強く受け、さらに融資の引き締めも始まっており、個人でコントロールできる範囲は限られていました。また、7名ほどのチームを任されていましたが、チーム全体の数字についても同様でした。取引単価が高く、継続性のない商品だったため、予算を達成できる時もあれば、全く先が見えないこともありました。
ちょうど情報の発信手段がSNSやテクノロジーへ移行する過渡期でもあったため、チームの成果を伸ばすにはITスキルが不可欠だと考えていた時、マンションリサーチと出会いました。

マンションリサーチ(株)
利根川

(株)realwave
亀梨奈美
「時代はITだ」みたいなイメージですか?
ITがこれからますます重要になるとは感じていましたが、正直なところ、「それを作る側になれたら更に面白そうだな」という純粋な好奇心がきっかけでした。それまで私は、一人ひとりの顧客に向き合う営業をしてきましたが、BtoBtoCの世界で仕事をすれば、自分がもっと多くの人をつなぐ役割を担えるのではないかと思ったんです。
もちろん、目の前のお客様を幸せにする仲介の仕事にも大きなやりがいを感じていましたが、不動産会社の課題を解決するようなサービスや商品を作れば、その会社を通じて、もっとたくさんの人たちの幸せにつながる。そんな「1対1」から「1対N」のアプローチに挑戦することで、自分ができることの可能性がぐんと広がるんじゃないかと思いました。
この考えに気づいたとき、自分の中で「次のステップに進もう」という気持ちが強くなりました。

マンションリサーチ(株)
利根川
「IT未経験」以上に「実務経験」の優位性が勝る

(株)realwave
亀梨奈美
転職当時はITの知識もほとんど無かったと思いますが、困ることはありませんでしたか?
特に困ることはありませんでしたね。もちろん、入社後に学ぶべきことはありますが、社員の多くはIT企業出身ではありません。会社が書籍やセミナーの費用を負担してくれたり、メンバーが定期的に勉強会を開いてくれたりするので、不安を感じることもありませんでした。
マンションリサーチが提供しているのは、ITを活用した仕組みやサービスですが、実際に開発や営業をする場面では、ITの知識以上に現場で培った経験が活きています。アイデアを形にするにはITが不可欠ですが、それはエンジニアが担う部分です。サービスの良さを不動産会社さんに伝えるにも、より良くするためにブラッシュアップするにも、役立っているのは実務の経験です。
共通言語で話せて、実際にサービスを利用するイメージができることは自分の大きな強みです。不動産会社さんはさまざまなテック企業からアプローチを受けると思いますが、「DX」や「IT」などのかっこいい言葉を並べるだけでは伝わりませんよね。当時の自分でも理解できるような、血の通った言葉で話すと、相手も耳を傾けていただきやすいんですよね。「IT業界未経験」ということよりも、「実務経験者」であることが、むしろスタート時点での強みだったと思います。

マンションリサーチ(株)
利根川

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亀梨奈美
不動産業界はITに苦手意識を持っている方が多い印象があります。業務も専門的かつ独自性が高いからこそ実務の経験が活きてくるわけですね。現在は具体的にどのような業務をされているんですか?
「不動産データクラウド」や「ロボ査定」などの企画開発、販促、ブラッシュアップなどをしています。マンションリサーチといえば「マンションナビ」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、この2つが現在の弊社主力サービスとなっています。いずれのサービスも、自分が現場で使うイメージをしながら企画・開発を進めています。弊社の最も大きな強みであるビッグデータを活用して、不動産会社が欲しいものを作る。これが私の主な仕事です。
ITで現場を大きく変えるというよりは、半歩先行くサービスやシステムの提供を目指しています。たとえば、ロボ査定については『査定書を介して売主さんとコミュニケーションできたら楽しいだろうなぁ』『売主さんも驚いて不動産会社の評価も上がるだろうなぁ』なんてことを想像しながら企画・開発していました。現場出身だからこそ、現場の担当者に花を持たせてあげたいという気持ちが強いのかもしれないです。

マンションリサーチ(株)
利根川

(株)realwave
亀梨奈美
数年前までIT未経験だった利根川さんが数千社の不動産会社が導入しているシステムを企画・開発したとは……!
前職で感じていた課題についてはいかがですか?解消されましたか?
はい、今では解消できることは多々あるんじゃないかと思います。我々が作るサービスやシステムの起点となるのは、「現場の課題」や「課題とも感じていない小さな負担や不満」なんですよ。顕在化している課題ならまだしも、潜在的に感じている課題を汲み取ることができるのは実務経験者だからこそ。ITを活用することで効率化できたり、企業ブランディングに活かしてもらったりできる要素は無限大です。

マンションリサーチ(株)
利根川
「ナンバーワン」より「オンリーワン」のサービスや商品を作りたい

(株)realwave
亀梨奈美
転職されてからご自身に変化はありましたか?
業界全体を俯瞰して見る力がついたと感じます。サービスの企画・開発に携わるようになったことも大きいですが、何より不動産会社の経営者や、経営戦略・マーケティングの責任者の方々とお話しする機会が増えたことが影響しています。各社の取り組みや課題について深く伺う中で、現場にいた頃には見えていなかった業界全体の動きや現状、今後の展望を感じ取ることができるようになりました。
また業務については、チームを巻き込んで取り組むことが非常に多いです。そのおかげで自分のイメージを言葉にして共有する力が鍛えられましたし、イメージを形にするためのチーム作りや採用にも携わるようになり、自分の役割や視野が大きく広がったと感じています。難しい反面、大きなやりがいを感じる毎日です。
代表の山田がよく「どこに行っても通用する人間になってほしい」と話すのですが、この言葉通り、マンションリサーチは個々の成長に対して投資を惜しまない会社でもあり、キャリアアップや自己実現、成長を目指せる環境が整っていると実感しています。

マンションリサーチ(株)
利根川

(株)realwave
亀梨奈美
不動産実務の経験者やIT業界経験者、新卒社員などさまざまな方が在籍しているマンションリサーチですが、社内の雰囲気はいかがですか?
個性豊かで、雰囲気もとてもよく、各自が熱い想いをもって仕事をしているんじゃないかと思います。能力やスキルもお互い絶妙なバランスで補い合っていると思います。それと若い社員も多いので、意見を出しやすい環境作りには気を配っています。意見を言いやすくすることを重視して、率先して冗談交じりの意見を言うこともあります(笑)
これは、どんなに良いアイデアでも「完成度を高めてから提案しよう」と思っているうちに潰れてしまうことがあると思います。突拍子もないアイデアでも、内に秘めずに、すぐに外に出せば誰かが拾ってくれるかもしない。そこで「いいね!」という賛同者が現れれば、アイデアが掛け算のように広がることもあります。こうした環境を常に作っていきたいと思っています。。

マンションリサーチ(株)
利根川

(株)realwave
亀梨奈美
意見を言いやすいというのは、業務の面でも働く環境面でも良いことですね!
最後にこれからの目標や展望をお聞かせください。
あまりカッコよくないかもしれませんが、業界のナンバーワンを目指しているわけではないんです。私たちは「ナンバーワン」よりも、誰かにとっての「オンリーワン」を目指すほうがワクワクしますし、私たちの考えに共感してくれる不動産会社さんの力になりたいです。
また、今は何よりチーム作りが楽しいです。新しいものを作って数字を安定させ、また次のチャレンジをしていくことにやりがいを感じています。今のメンバーならば更に高みにいけると感じています。会社の成長、チームの成長、自己の成長、そして顧客満足や業界の発展がすべて繋がっている実感があるので、ひたむきで誠実に取り組んでいけば、良い未来が待っていると信じています。

マンションリサーチ(株)
利根川