News
【2024年12月初め】上昇基調から住宅ローン金利の行方はいかに?米国金利の利上げを注視
~変動金利と固定金利の動向を分析~
マンションリサーチ株式会社(東京都千代田区神田美土代町5-2)はホームローンドクター株式会社(東京都中央区八丁堀2-19-6)代表取締役 淡河範明(おごう のりあき)氏への聞き取り調査により、住宅ローン金利の推移を予測しました。
グラフ1:DH住宅ローン指数の推移
まとめ
【変動金利】
先月とは逆の動きで、わずかに下落しました。今後は、円安の動向を注視しながら、金利の調整が進むと考えられます。
【10年固定金利】
2024年12月初めのDH住宅ローン指数の10年固定は1.394%となり、前月の1.342%よりも上昇しました。11月の国内債券金利は石破新総裁の誕生後、財政拡大懸念や米国のインフレ懸念による米国金利上昇を受け、一時1.1%を超えました。この影響が金利上昇に寄与したと考えられます。しかし米国での利上げがなければ、さらなる金利上昇の余地は小さいと考えられます。
【全期間固定金利】
今月のDH住宅ローン指数による全期間固定金利は2.120%と前月の2.029%よりも上昇しています。注視すべき点は、米国の景気や為替動向です。トランプ政権下で、米国金利の利上げが起きれば金利上昇は加速し、円安から円高に転換すれば、金利上昇は一服することも考えられます。
本まとめの詳細は以下よりご覧いただけます。
すみかうるURL
https://t23m-navi.jp/magazine/housingloan/housingloan-hld2412/
変動金利について
【変動金利の現況】
2024年10月は「金利のある世界」に復帰し、多くの銀行が変動金利を引き上げました。しかし、わずか1ヶ月で金利を引き下げる銀行が複数現れたことは印象的でした。
グラフ2:DH住宅ローン指数の推移(変動金利)
2024年12月初めのDH住宅ローン指数における変動金利は、前月の0.615%から0.001%の下落となりました。また12月初め金利を上げた銀行が1社、下げた銀行が4社と10月とは逆の動きが見られました。特に、金利を下げた銀行のうち4社はトップ5に入る大手で、営業方針を大胆に転換したと考えられます。
【変動金利の今後の動向】
今後は、円安の動向を注視しながら、金利の調整が進むと考えられます。
10年固定金利
【10年固定金利の現況】
グラフ3:DH住宅ローン指数の推移(10年固定金利)
2024年12月初めのDH住宅ローン指数の10年固定は1.394%となり、前月の1.342%よりも上昇しました。
10年固定金利は日本国債10年物の金利を参考に設定されると言われています。11月の国内債券金利は石破新総裁の誕生後、財政拡大懸念や米国のインフレ懸念による米国金利上昇を受け、一時1.1%を超えました。この影響が上昇に寄与したと考えられます。
【10年固定金利の今後の動向】
現在ドル円が150円前後で推移しており、為替介入や国内利上げの圧力は限定的と見られます。当面、日銀の再利上げが焦点となるでしょう。予想通り10年国債金利は1%を超えましたが、米国での利上げがなければ、さらなる金利上昇の余地は小さいと考えられます。
全期間固定金利
【全期間固定金利の現況】
変動金利の上昇が始まったことで全期間固定金利を検討する人も増えていますが、金利差が依然大きいため、多くの人は引き続き変動金利を選んでいるようです。
グラフ4:DH住宅ローン指数の推移(変動金利と全期間固定金利)
【全期間固定金利の今後の動向】
日本の景気が上向きという前提のもと、超長期金利の上昇も始まっており、住宅ローン金利も上値をおっていく展開になると予想しています。注意点は、米国の景気や為替動向です。トランプ政権下で、米国金利の上昇が起きれば住宅ローン金利上昇は加速し、円安から円高に転換すれば、住宅ローン金利上昇は一服することも考えられます。
筆者プロフィール
福嶋 真司(ふくしましんじ)
マンションリサーチ株式会社
データ事業開発室
不動産データ分析責任者
福嶋総研
代表研究員
早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、
建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。
福嶋総研発信リンク集
https://lit.link/fukushimasouken
リリース本文へ(PRTIMES)