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プレスリリース【中古マンション】タワーマンション在庫数増加も、港区・江東区は別⁈ 市場から逸脱した動きを追う

中古マンション売買市場ミクロマーケットレポート 2023年11月号

核心的な事を言ってしまうと、東京都の中古マンション価格高騰の一端を担っているのは、取引価格が高いタワーマンションです。

【詳しくはこちらの記事を参照ください。】
https://www.youtube.com/watch?v=3HNQhUpfGzQ

とはいえ、タワーマンションも他の中古マンション同様、在庫数は増え続けています。そこでマンションリサーチでは、とくにタワマン市場が大きい港区・江東区の売買マーケットの実態を調査しました。

 

まとめ

東京都23区のタワーマンションの在庫数が増え続ける中、港区・江東区のタワーマンションはコロナ禍前の水準を維持しています。売れ行きについては他のマンションと同程度であるものの、成約単価の高騰率は他のエリアのタワーマンションを凌駕しています。

売れ行きが良いわけではないがらも在庫が増えないということは、売り出し数が他のマンションと比べて少ないということ。その中で価格の高騰率が他のマンションより高いということは、一般的な市場とズレがあることを示唆しています。円安や収入格差の広がりから、港区・江東区のタワーマンションは、海外投資家や富裕層など一部の層が中心となって取引されているものと推測されます。
 

目次

1|タワーマンションの在庫数は多いものの回転率は高い
 1-1|タワーマンションの在庫回転率はコロナ禍前以上
 1-2|タワーマンションとその他のマンションは価格差も大きい
2|23区のタワーマンションと港区・江東区のタワーマンションの比較
 2-1|港区・江東区のタワマン在庫数は少ない
 2-2|在庫回転率は他の区のタワマンより低い
 2-3|成約価格の高騰率は大きい
3|港区・江東区のタワーマンションは嗜好性が強いマーケット
 

1|タワーマンションの在庫数は多いものの回転率は高い

マンションリサーチ(株)調べ
 
東京都23区の中古タワーマンションの在庫数は、コロナ禍に大きく減少しましたが、2021年頃から徐々に増え始め、2023年10月時点ではコロナ禍前を大きく上回っています。
 

タワーマンションの在庫回転率はコロナ禍前以上

マンションリサーチ(株)調べ
 

用語解説

在庫回転率:その時の「売り手」の数からみて「買い手」がどのくらい多いかを示す指標。この数値が高ければ高い程、需要が高い。

 
一方、タワーマンションの在庫回転率はコロナ禍より一段高い水準となっており、現在のほうが売りやすい状況だと考えられます。マンション全般の在庫回転率がコロナ禍前と同水準であることから、タワーマンションはその他のマンションと比較しても売れ行きが良いといえます。
 

タワーマンションとその他のマンションは価格差も大きい

マンションリサーチ(株)調べ
 
タワーマンションは総じてその他のマンションより高額で取引されますが、コロナ禍を境にその差は広がっています。マンション全般は2022年後半から価格がほぼ横ばいですが、タワーマンションはコロナ禍の収束が見られ始めてからも高騰を続けています。
 
マンションは全体的に在庫が増えているものの、取引価格が高いタワーマンションの販売戸数が伸長し、さらに単価も上がっているからこそマンション全体の平均価格も上がっているものと考えられます。

 

2|23区のタワーマンションと港区・江東区のタワーマンションの比較

マンションリサーチが23区の中でタワーマンション棟数が1位・2位の港区と江東区のマーケットを調査したところ、他のエリアとは異なる傾向が見られることがわかりました。
 

港区・江東区のタワマン在庫数は少ない

マンションリサーチ(株)調べ
 
冒頭のとおり、東京都23区のタワーマンションの在庫数は現在、コロナ禍前を大きく上回っています。一方、港区・江東区の在庫数はコロナ禍前とほぼ同水準です。
 

在庫回転率は他の区のタワマンより低い

マンションリサーチ(株)調べ
 
在庫回転率は、コロナ禍前から2020年後半頃までタワーマンション以上に23区マンション全般が高い水準で推移していました。しかし、2020年後半から2021年にかけて逆転し、今では23区タワーマンションの在庫回転率が上回っています。

一方、港区・江東区のタワーマンションの在庫回転数については、23区マンション全般とほぼ同水準。港区・江東区のタワーマンションの売れ行きがとくに良いということではないようです。
 

成約価格の高騰率は大きい

マンションリサーチ(株)調べ
 
港区・江東区のタワーマンションの在庫回転率は、23区のタワマンの中でも低い水準にあるものの、成約価格は他のタワマンと比較して高いようです。コロナ禍前までは他のタワマンとほぼ同水準でしたが、2021年頃から徐々に港区・江東区の高騰率が高くなり、価格差は広がっている傾向にあります。
 

3|港区・江東区のタワーマンションは嗜好性が強いマーケット

東京都23区のタワーマンションの在庫数が増え続ける中、港区・江東区のタワーマンションはコロナ禍前の水準を維持しています。売れ行きについては他のマンションと同程度であるものの、成約単価の高騰率は他のエリアのタワーマンションを凌駕しています。

売れ行きが良いわけではないがらも在庫が増えないということは、売り出し数が他のマンションと比べて少ないということ。その中で価格の高騰率が他のマンションより高いということは、一般的な市場とズレがあることを示唆しています。円安や収入格差の広がりから、港区・江東区のタワーマンションは、海外投資家や富裕層など一部の層が中心となって取引されているものと推測されます。
 
【こちらの記事も合わせてご参照ください。】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000013438.html

 
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