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三大都市中古マンションの「エリア価格」と「価格の高騰率」は比例する!?都市部マンションが資産性を保持すると言われる理由
昨今、都市部の中古マンション価格は高騰し続けていると言われています。確かに東日本不動産流通機構の定期レポートでも、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の中古マンション㎡単価がバブル期の1990年11月を上回るとの記載がありました。そこで、今回は都市部(東京都23区、愛知県名古屋市、大阪府大阪市)の各エリアによって、価格の高騰率に違いがあるのかを調査しました。
図1:東京都23区エリア別中古マンション坪単価高騰率

上記図1は2001年以降築の2024年(対2023年比)における東京都23区の各エリアの中古マンション坪単価の高騰率を示しています。東京都23区は通説的に価格が下がらないと言われている、赤枠で囲われた都心3区(千代田区、中央区、港区)は、概ね10%以上の高騰が見られました。またこの都心3区を同心円の中心として、徐々に周辺エリアの高騰率が下がっていくようです。したがって東京都23区では、物件価格の高いエリア(都心に近いエリア)ほど、中古マンション価格高騰率が上昇していることが分かります。
図2:大阪府大阪市のエリア別中古マンション坪単価高騰率

上記図2は2001年以降築の2024年(対2023年比)における大阪府大阪市の各エリアの中古マンション坪単価の高騰率を示しています。大阪市では北区、西区、福島区、中央区の高騰率が高く、その中でも特に赤枠で囲われた御堂筋線沿線の高騰率が高いことが分かります。従って大阪市でも東京都23区同様物件価格の高いエリアほど、中古マンション価格高騰率が上昇していることが分かります。
図3:愛知県名古屋市のエリア別中古マンション坪単価高騰率

上記図3は2001年以降築の2024年(対2023年比)における愛知県名古屋市の各エリアの中古マンション坪単価の高騰率を示しています。東京都23区と大阪市とは対照的に、中心エリアである名古屋駅周辺でも高騰率が5%未満のエリアが目立ちます。また名古屋市のマンションの建ち方には特徴があり、名古屋駅周辺を除けば、ロードサイドにマンションが建ち、その内側には戸建が多く建っているようです。この事から、東京都23区と大阪市よりも相対的な戸建需要が高い為、中古マンション価格の高騰率が東京都23区と大阪市よりも相対的に低くなると考えられます。
筆者プロフィール

福嶋 真司(ふくしましんじ)
マンションリサーチ株式会社
データ事業開発室
不動産データ分析責任者
福嶋総研
代表研究員
早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、
建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。
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