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【2025年2月号】中古マンション市場実態調査

東日本不動産流通機構によると、2025年1月の首都圏（一都三県）中古マンション平均成約坪単価が1990年11月の水準を上回ったとの事で、急激な高騰が見られました。マンションリサーチ株式会社では、より細分化して調査しその実態を紐解きました。
本調査における都心5区とは「千代田区・中央区・港区・新宿・渋谷区」を指します。
 

首都圏都県ごとの成約坪単価推移
グラフ1では首都圏（埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県）の中古マンション成約坪単価の推移を表しています。
 

グラフ１：首都圏中古マンション成約坪単価推移

 
グラフ１を見ると、東京都のみが右肩上がりで上昇し、他の三県は横ばいに推移しています。また東京都では、2024年12月から2025年1月にかけて、中古マンション成約坪単価が大幅に上昇しており、今回の首都圏中古マンション平均成約坪単価の大幅な上昇はこの事に起因したと考えられます。
 

東京都「都心5区」と「都心5区以外の区部」の成約坪単価推移

グラフ2では「都心5区」と「都心5区以外の区部」の中古マンション成約坪単価の推移を表しています。
 

グラフ２：「都心5区」と「都心5区以外の区部」：中古マンション成約坪単価推移
 

グラフ2をみると「都心5区以外の区部」はやや上昇しているものの、上昇の仕方は緩やかで、2025年1月の首都圏（一都三県）中古マンション平均成約坪単価を大きく引き上げるほどのものではありません。一方で「都心5区」は右肩上がりに上昇しており、昨年12月から2025年1月にかけて、大幅に上昇しており今回の首都圏中古マンション平均成約坪単価の大幅な上昇は「都心5区」の成約坪単価の上昇によるところのものと考えられます。
 

東京都都心5区の「一般向けマンション」と「富裕層向けマンション」の成約坪単価推移
グラフ３では東京都都心5区の「一般向けマンション」と「富裕層向けマンション」の中古マンション成約坪単価の推移を表しています。

※ここでは、「一般向けマンション」を9,000万円未満、「富裕層向けマンション」を9,000万円以上と定義しています。
 

グラフ３：「都心5区」一般向け・富裕層向け中古マンション成約坪単価推移
 

グラフ３をみると、「一般向け中古マンション」は横ばいに推移しているのに対し、「富裕層向け中古マンション」は右肩上がりで上昇しており、昨年12月から2025年1月にかけて、更に大幅に上昇しました。

従って2025年1月の首都圏の中古マンション成約坪単価の急激な高騰は、首都圏全域の平均坪単価の高騰によるものではなく、「東京都心5区の富裕層向け中古マンション」という特定のセグメントの平均成約坪単価の急激な高騰に引っ張られて起こったものと考えられます。
 

筆者プロフィール

福嶋 真司（ふくしましんじ）

マンションリサーチ株式会社

データ事業開発室

不動産データ分析責任者

福嶋総研

代表研究員

早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、

建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。

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