News
【東京都湾岸タワーマンション】過熱する湾岸エリア!常軌を逸した売買マーケット2024年9月の実情はいかに?
2024年9月末現在:湾岸タワーマンションマーケット最新情報
マンションリサーチ株式会社(東京都千代田区神田美土代町5-2)及び株式会社FJリアルティ(東京都中央区築地6-4-5)は東京都湾岸エリア中央区(月島・晴海・勝どきエリア)、港区(港南・芝浦エリア)、江東区(豊洲・有明・東雲エリア)のタワーマンションにおける取引事例データ及び取引現場の実態を元に、現況の当該市場の分析を行いました。
結果
通常マンション価格は直近の成約価格に、市場の方向性を加味してその価格が予測されます。一方で湾岸エリアのタワーマンションにおいては、直近の成約事例が参考にされているとは思えないほどの高騰を見せています。2024年9月末時点では、今後も価格の高騰が予想されます。
また、新築タワーマンションの抽選販売が中古マンションの需給に影響を与えている可能性もあり、購入検討者サイドでは新築タワーマンションの動きとともに中古タワーマンション市場をウォッチする必要があります。
大きく高騰する湾岸タワーマンション価格
グラフ1:「パークタワー晴海」推定成約坪単価推移
上記のグラフはパークタワー晴海の推定成約坪単価を示しています。2019年以降徐々に坪単価が高騰してきましたが2023年からは、赤枠で示す通り坪単価が大きく上振れています。特に21階以上はその傾向が顕著にみられました。
グラフ2: 東京都湾岸タワーマンションの販売期間と値下げ回数
上記データでは、湾岸タワーマンションの売出しから販売完了までの「値下げの回数(総数)」と「販売日数」を示しています。湾岸タワーマンションにおいては、「値下げ回数」がどんどん減少しているにも関わらず、販売日数も大きく短期化しています。これは値下げしなくてもすぐ売れるということを示しており、東京都23区全体と比較しても圧倒的です。
取引現場においても、大きく価格が高騰しているというのが実感値です。もはや12カ月前の成約価格は参考にならず、ついこの前坪500万円だったものが今日は坪600万円という事もざらにあります。「さすがに、この金額では売れない」くらいの方がちょうど良いのではないかという値付けが、現況の湾岸タワーマンションの実態です。
売れ行きの良さに反して2024年9月在庫数が急上昇
下記のグラフは東京都湾岸タワーマンションの在庫推移を示しています。
グラフ3: 東京都湾岸タワーマンション在庫推移
グラフ1でも示した通り、直近の「値下げ回数」と「販売日数」は2024年9月末で最も売れ行きの良さを示しています。それにも関わらず、9月在庫は2024年内で最も多い状態です。主に、10月に新築マンション「晴海フラッグスカイデュオ」「豊海タワー」の抽選があるのが要因とみられます。湾岸エリアでタワーマンションの購入を志向する方の多くが、本マンションの抽選に申し込んでおり、その結果待ちをしているために中古マンションが動かず、結果在庫が増えてしまったというのが実態です。
筆者プロフィール
藤田祥吾(ふじたしょうご)
株式会社FJリアルティ
代表取締役
早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、
建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。
福嶋 真司(ふくしましんじ)
マンションリサーチ株式会社
データ事業開発室
不動産データ分析責任者
福嶋総研
代表研究員
早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、
建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。
福嶋総研発信リンク集
リリース本文へ(PRTIMES)