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首都圏(一都三県)中古マンション、二極化が顕著に。富裕層マーケットとマスマーケットの乖離が顕在化。

中古マンションマーケットの急速な二極化の実態とは?

マンションリサーチ株式会社では、昨今の首都圏の中古マンションの高騰が、いったいどのような構造になっているのかを取引価格帯を軸に紐解いてみました。

【要約】

現況の中古マンション価格の高騰と言われる裏には、高価格帯物件の販売の好調さが成約価格を引っ張る一方、中古マンションを購入する大多数が属する(一億円以下)マーケットにおいては、むしろ現況が頭打ちといった状況です。

 

現在の首都圏中古マンション価格の成約価格を引き上げているのは、高価格帯物件

グラフ1:一都三県中古マンションの価格推移

出典:東日本レインズのデータよりマンションリサーチ独自に作成
 
現況の首都圏中古マンション成約価格の推移(グラフ1)を見ると依然として、高騰を続けているように見えます。
 
グラフ2:一都三県中古マンションの価格推移

出典:東日本レインズのデータよりマンションリサーチ独自に作成
 
一方で在庫価格(グラフ2)を見ると、2023年前半から下落傾向にあり、現在では2022年2月の水準まで落ち込んでいます。
 

「高価格帯物件のみなし成約数」の内訳

グラフ3:東京都23区10,000万円以上の成約物件数

出典:マンションリサーチ(株)
 
ここで直近の、東京都23区の1億円以上の中古マンションのみなし成約件数(グラフ3)を見ると、2024年で3月・4月では過去類を見ないほどの物件が成約しているようです。
 
グラフ4:東京都23区15,000万円以上の成約物件数

出典:マンションリサーチ(株)
 
また、その内訳(グラフ4)をみていると、2023年4月は3月よりも圧倒的に多くの1.5億円以上の物件が成約しています。
 

「全価格帯の成約価格」と「一億円以下の成約価格」の比較

グラフ5:一都三県の「全価格帯の成約価格」と「1億円以下の物件の成約価格」の推移

出典:東日本レインズのデータよりマンションリサーチ独自に作成
 
そこで上記グラフでは、首都圏の「全価格帯の成約価格」と「一億円以下の成約価格」の推移(グラフ5)を比較しました。「全価格帯の成約価格」は現在に至るまで堅調に価格が高騰している一方で、「一億円以下の成約価格」推移は2022年後半まで堅調に高騰していたものの、以降はその伸びも鈍化していき、2024年には横ばいの状況となっています。
 
グラフ6:一都三県の「全価格帯の成約価格」と「1億円以下の物件の成約価格」の差分

出典:東日本レインズのデータよりマンションリサーチ独自に作成

グラフ6では、首都圏の「全価格帯の成約価格」と「一億円以下の成約価格」との差分を示しています。顕著にその差は広がっている事が分かります。
 

【まとめ】

現況の中古マンション価格の高騰と言われる裏では、高価格帯物件の販売の好調さが成約価格を引っ張る一方、中古マンションを購入する大多数が属する(一億円以下)マーケットにおいては、むしろ現況が頭打ちといった状況です。
 

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